高度情報化社会を支えるインフラは、今や日常の生活に欠かせないサービスを安全かつ快適に提供し利用するために重要な役割を果たしています。そしてネットワーク環境がグローバルに整いつつある現在において、インフラエンジニアの活躍の場は急速に広がっており、またそれに伴って需要も増大しています。
もっとも期待されるインフラエンジニア像は、業務内容や求められる環境に応じて異なります。スキルと知識に長けており、またどのような実務経験を積んで行くのかということは、インフラエンジニアのキャリアを考える上で重要です。すでに運用されているシステムでは、何事もなくて当たり前という期待の下に、あらかじめいかなる障害も発生しないような予防措置を講じておき、その上で現実に起きる障害に対してその影響を最小限に食い止めて、できるだけ早く復旧させることが求められます。新たなシステムの構築であれば、どのようなスキルや知識を要するのかという部分が比較的分かりやすいのですが、予測して未然に防ぐ、あるいは予期せぬトラブルに対処するという上では、対処療法では足りず、物事を論理的に考えて演繹することができなければなりません。このようなインフラエンジニアとしての業務特性に対する適性として挙げられるのは、「探究心が強いこと」、そして「根性があること」という、意外にシンプルなものです。
まずはインフラエンジニアが知っておかなければならないことが、周辺業務も含めて幅広いことから、様々なことに興味を持って自分で研究することが求められます。現場では誰も手取り足取り教えてくれないのであり、まして表面に原因が表れにくいインフラの障害を解決しようと思えば、あれこれと自分で想像を巡らすことができなければなりません。一つ一つ可能性の高いものから順番に障害の原因の見当をつけて行くためには、前提知識が必要です。また最初のインフラ構築において、クライアントに対するヒアリングから設計書を作成するような場合にも、手持ちの知識を総動員して最適なものに仕上げようと思えば、その時に確実に調達できて、なおかつ期待する性能を発揮する機器を選ぶなど、考慮しなければならないことの中には、他のエンジニアと異なる部分があるのです。
また日々技術が進歩し、膨大な数のユーザーに対して常に安定的で快適なサービスを提供されることが当然の如く期待される一方で、ますます巧妙化するハッカーからの攻撃などの脅威も高まる中、より安全でより快適なインフラの整備が求められています。いたちごっことも言われるこのような要求にも、インフラエンジニアが最大限応えようと思えば、根性があるのは言わずもがなの適性かもしれません。